アスリートは競技の中で、様々な選択をしなければいけません。
今プレイしている状況下で、先を読みながら勝利に1番近い最適の選択肢を選び続けることは、並大抵のことではなくどのアスリートにとっても難しいことだといってよいでしょう。
しかしこの選択肢を上手く選び続けることができなければ、アスリートとして生き残ることはできません。
そこで重要になってくるのが、最適の選択肢を選べるようになるための「自己決定能力」です。
今回はこの「自己決定能力」について詳しく解説していきます。
自己決定能力とは
スポーツにおける自己決定能力とは「自分に必要なことを自分で考え選択し決断する」ということを指します。
日本ではまだまだ監督やコーチなど「やれと言われたからやる」といった人が多く、自己決定能力が備わっているアスリートというのはなかなか存在しません。
しかしこの自己決定能力は、アスリートのパフォーマンスに大きく影響するといわれています。
自己決定能力とパフォーマンス
アメリカの心理学者であるエドワード・デシとリチャード・ライアンは、自己決定能力がパフォーマンスに大きく影響するということを言及しています。
つまり自分で考え決断する「自己決定能力」が高ければ高いほど、パフォーマンスで良い影響を出せる可能性が高いのです。
実際に自己決定できる環境であるということは、脳にストレスを与えず様々な分野でパフォーマンスが上がるという研究結果もでています。
そのため自己決定能力がパフォーマンスに直接影響を与えるということは、様々な面から見ても間違いないといってよいでしょう。
自己決定能力がアスリートの伸びしろを決める
自己決定能力はパフォーマンス面だけではなく、アスリートとしての伸びしろをも決める可能性があります。
例えば、どんな練習であっても「監督やコーチに言われたからやる」という選手と、自分で考え決断し「自分に必要なことだからやる」という選手では練習に対するモチベーションも大きく異なるでしょう。
自分に必要なことを自分で考え決断し行動するアスリートは、やらされて練習する選手よりも様々な面で得るものも異なるので、上達具合も大きく変わってきます。
どれだけ「自分で考え決断し行動すること」ができるか、それによってアスリートとしての伸びしろも大きく変わってくるのです。
自己決定能力をのばすための方法
自己決定能力をのばすにはどうすればよいのでしょうか?
以下で詳しく解説していきます。
練習・試合で常に考えるクセをつける
自己決定能力をのばすためには、練習・試合で常に考えるクセをつけるというのが重要です。
- なぜこの練習をするのか?
- 自分に足りないものはなにか?
- 上達するには何が必要で何を切り捨てなければいけないか?
こういったことを常に考えて、どんな練習や試合からでもさまざまなことを学びとりましょう。
こういったことを常に考えて行動することで、コーチや監督に自分に必要なものはなにかを的確に質問することができます。
コーチや監督に言われたことをやるのではなく、自分に必要なことをコーチから監督に指導してもらう。コーチや監督を上手く「使う」という考えをもっておくと、考える力がつき自己決定能力をのばすことが可能です。
決断する力をつける
自己決定能力には考える力に加えて、決断する能力も重要です。
何が必要なのかを考えて、積極的にそれに取り組むことはあなたのパフォーマンス向上につながります。
しかし何かに取り組むには、今まで使っていた時間を割かなければならず、これまでの常識や練習内容を切り捨てて新しいものに取り組むことを決めなければいけません。
また練習や試合を客観的な視点で分析し、結果を残すためには何をしなければいけないのか考えて決めることができるようになれば、より加速的にパフォーマンスの向上をはかることができるでしょう。
コーチや監督の決定を鵜呑みにするのではなくて、自分で考えて違う結論に至った時に、行動できる決断力を意識的に日頃から鍛えることが「自己決定能力」を育むうえでは必要不可欠になります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回はアスリートのパフォーマンスや伸びしろを左右する可能性がある「自己決定能力」について、詳しく解説してきました。
自己決定能力は日頃のトレーニングはもちろんのことですが、日常生活でも鍛えることができます、
コーチや監督の指導をそのまま実践するのではなく、常に自分に何が必要なのかを考えて、行動に移す決断力を身につけましょう。