アスリートがパフォーマンスを向上させるために必要なのが、適正な自己評価です。
自己評価をしっかりとできれていれば、自分に必要なものや足りないものを見抜いて、適切な行動をとることができます。
もっともこの「適切な自己評価」というのは、いったいどういったものなのでしょうか。
今回は、自己評価と結果の因果関係を分析しながら、適切な自己評価ができるようになるための方法について詳しく解説していきます。
自己評価と結果の因果関係とは
近年ではスポーツ心理学が発達したことにより、アスリートが結果を残すためには「メンタル」面が非常に重要な役割を果たしていることは多くの人が理解しています。
メンタル面を考えるにあたって重要なのが、自己評価をどのように行うかです。
最近の研究では自己評価と結果には、ある程度因果関係があることが分かっており、適切な自己評価をするということはこれまで以上に重要になっています。
そこで以下では「過大・過少・適切」それぞれの自己評価が、どのようにパフォーマンスに影響を及ぼすか解説していきます。
自分のパフォーマンスを過大評価している場合
自分のパフォーマンスを過大評価している人の場合、結果にバラつきがある傾向にあります。
自分ができることよりも過大に期待している人は、実際に上手くいっているときはいいですが、少し自分の考えとは異なるパフォーマンスになってしまうと一気に調子が崩れてしまいがちです。
また理想を追い求めて空回りしがちなので、なかなか結果を出すことができない傾向にあります。
もちろんポジティブに試合などに望むということはとても重要ですが、それが過信に繋がってはいけません。
あくまでも自分を客観視して「適切な自己評価」をすることが重要なのです。
またいわゆるビックマウスのアスリートというのもいますが、これはあくまでも大きな目標を掲げてそれを意識し自分を追い込むためにあえて口にしているという人が多い傾向にあります。
そのため自分を過大評価しているというわけではなく、逆に目標をしっかりと見据えることができているといえるでしょう。
自分のパフォーマンスを過小評価している場合
自分のパフォーマンスを過小評価している人は、思うように結果が出ない傾向にあります。
自分が有している本来の実力に対して、過小評価によってマイナスの補正がかかってしまうので、良い結果がだせないのです。
謙遜することや謙虚な気持ちを持ち続けるということは重要ですが、それと自分のパフォーマンスを過小評価することを混同してはいけません。
過大評価している人よりも悪い結果になってしまう可能性があるので、過小評価してしまっている人はすぐに自分を分析しなおしましょう。
自分のパフォーマンスを適切に評価できている場合
自分のパフォーマンスを適切に評価できている人の場合、自分を客観視できているので安定的に実力を発揮できます。
自分を適切に評価できている人は、試合中不測の事態に直面したとしてもリスク管理ができているので、あわてず対処をすることができます。
不測の事態などを予め考えているということは、はたからみるとネガティブで悪いことを考えているのではと思う方も多いかもしれません。
しかしリスクをしっかりと考慮して準備をできているので、ほかの評価タイプの人と比較してもパフォーマンスに良い影響があるといえるでしょう。
適切な評価は良質な準備につながり、良質な準備はパフォーマンスを向上を招きます。
良いパフォーマンスを発揮するためには、できるだけ自分を適切に評価できる客観的な視点を持ち続けることが重要だということです。
適切な自己評価ができるようになるためには
適切な自己評価ができるようになるためには、常に自分のパフォーマンスを客観的に分析することが重要です。
「なんとなく今日は調子が良いな」ではダメで、調子がよい原因を言語化できるようにならなければいけません。
日々の生活・食事や練習内容、コーチや監督の指導を記録として残しておき、どういったことをしていれば良いパフォーマンスを発揮できるかしっかり分析しましょう。
週に1回は、必ず自分の生活や練習を振り返ることで、悪かった点や良かった点を明確にしできるだけ安定してよいパフォーマンスができるように準備するのがおすすめです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は自己評価と結果の因果関係と、適切な自己評価をするための方法について詳しく解説してきました。
適切な自己評価は良いパフォーマンスの発揮につながります。
現在自分に対する評価は適切に行なえているでしょうか?定期的に見直してみることをおすすめします。